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2008年3月30日 (日)

平成20年度第1回定例議会本会議5日目その1

平成20年度第1回定例議会本会議5日目議案第5号に対する奥富喜一の反対討論原稿紹介

議案第5号 福生市民会館条例の一部を改正する条例について反対の討論をさせていただきます。

 この条例は市民会館における指定管理者制度に関する規定を定めるものです。 最初に日本共産党は指定管理者制度の適用全てを機械的に否定するものではないことを表明しておきます。
 指定管理者制度は、①「委託」を「代行」に変え、これまで地方公共団体の管理権限のもとに受託者がおこなってきた管理や運営を、指定管理者が代行できる、② これまで首長の権限だった「使用許可権限」が指定管理者に与えられる、③管理主体を、これまで公共団体、公共的団体、公共団体の出資法人、いわゆる第三セクターに限っていたものを、株式会社などの民間営利会社にまで拡大する。などが、その特徴といえます。
 株式会社などの民間営利団体の最大の目標は言うまでもなく、企業利益を追求することにあり、企業の社会的責任は二次的となりがちであることは、近年法令遵守とかコンプライアンスが良く話題となっているところです。
 公の施設の設置趣旨に従い利用料を安く設定することにすると、もうけを上乗せした利用料金を安く設定するためには、従事する労働者の賃金を安く押さえる必要が生じます。そのため労働者の身分・労働条件は著しく不安定なものにならざるをえません。また、サービスの切り捨て、後退を招きます。そうしないためと、逆に利用料金を高くする危険が生じます。
 指定管理者には毎年事業報告書として、業務の実施状況、利用状況、料金収入の実績などの提出が義務づけられていますが、議会への報告義務はありません。また、兼業については禁止規定が適用されず、設置者である首長や議員、その親族が経営する事業者が設定される可能性もあり、腐敗・不正の温床になることが危惧されています。指定管理者に対しては、お金の出し入れの監査を行うことは出来ますが、業務そのものについては監査の対象にならないとされています。従って、適正・公平な業務運営の的確なチェックはできません。
 こうした問題について、明確な保障体制が整っているとは認めがたい現状にあること、現在対象と考えている業者が悪意がないということで良しとするなら、法律は不要です。最悪の事態を防ぐために法律、条例はあり。その為の議会であることを、忘れてはなりません。
 さらに、地方自治法公の施設の規定です。第244条①普通地方公共団体は、住民の福祉を増進する目的をもってその利用に供するための施設を設けるものとする。②普通地方公共団体は、正当な理由がない限り、住民が公の施設を利用することを拒んではならない。③普通地方公共団体は、住民が公の施設を利用することについて、不当な差別的扱いをしてはならない。
 平成7年3月7日最高裁判例では、「公共施設の管理者が施設の利用を拒否できるのは、その集会によって他の基本的人権が侵害され、公共の福祉が損なわれる危険がある場合に限られる。」でした。平成2年2月26日高等裁判所判例では、「会館利用者申立人の行う集会が、その思想、行動を敵視する団体の妨害行動により会館の周辺の混乱が予想され、その規制の困難性や出費を理由にその使用を制限することは表現の自由ないし集会の自由の趣旨に反し、法第244条第2項の公の施設の利用を拒むことができる正当な理由に当たらない。」と示されています。体育館利用でその使用目的にあわないからと、近所の方の会議室利用を拒否するなどが本議会でも論じられましたが、結果は明瞭です。しかし指定管理者に果たしてどこまで、この徹底が図られるかは、はなはだ疑問の残るところであります。さらには、市民会館に付属する施設である駐車場利用の問題。当市では、市民会館と公民館が同居しているため、これを明確に区別管理する手法上の難点という重要な問題があります。こうした問題に明確に解決が与えられないままの見切り発車は、将来に禍根を残すので反対であることを表明し反対討論と致します。

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