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2008年3月30日 (日)

平成20年度第1回定例議会本会議5日目その4

平成20年度第1回定例議会本会議5日目議案第18号に対する奥富喜一の反対討原稿紹介

 議案第18号 福生市後期高齢者医療に関する条例について、反対討論をさせて頂きます。

 当条例は、後期高齢者医療の事務について必要な事項を定めることです。
「後期高齢者医療制度」の実態が知られるにつれ、この制度への危惧と批判が急速に広がっています。つい先日、3月23日には、後期高齢者医療制度の中止・撤廃を求める集会が、三鷹市にある井の頭公園で開かれ1万2千人が会場を埋めました。「いのちは平等です。年齢による差別は許せません」との集会決議を「いのち」と書かれた黄色い紙をいっせいに掲げて確認されました。
 参加した東京保険医協会の会長は、後期高齢者医療制度について「75歳で区切る医学的根拠はなく、あるのは医療費削減の発想だけ。現代の姥捨て山だ」と発言しました。また集会後、参加者は「年寄りは死ねというのか」「長生きしてはだめですか」などと書かれたのぼりや横断幕を掲げ、会場周辺をパレードしました。最近私がいただいた電話ですが、「初めて電話しています。いままで一生懸命働いて、子どもも育ててきました。年をとって保険料を本人負担しなくて良い、扶養家族になるのは当然だ。私は病気にならないようにずっと頑張ってきた。税金も払ってきた。ひどい仕打ちだ」というお話でしたが、その通りです。
 「国家が戦争を始め、幼少年期を戦禍に翻弄され、青年期・中年期を日本経済を長時間・低賃金で支え、老人になり、再び、日本国から棄民されようとしている。後期高齢者医療制度の向こう側には、墓場しか見えない」「高齢者を大切にしてきた社会を、逆に粗末に扱う社会にしていいのか。戦争で命を捨てよといわれ、いままた命を捨てよといわなければならないのか」などの声も聞かれます。
 この後期高齢者医療制度は、一言で表現すれば「75歳以上の人を他の世代から切り離し、際限のない負担増と差別医療を押しつける大改悪」です。
 東京の広域連合では、日本共産党の広域連合議会での奮闘もあって、保険料を低く抑えてのスタートとはなりました。この低く抑えてスタートの実現のため、その軽減措置を盛り込んだ議案第19号東京都後期高齢者医療広域連合規約の変更については賛成致しました。とはいえ、将来の値上げは確実です。
 「後期高齢者医療保険料」は2年毎に改定され、2つの要因によって値上がりします。1つは、医療給付費の増加です。介護保険料と同じく、「後期高齢者医療保険料」も、患者の増加、重症化、医療技術の進歩などで給付費が増えれば、保険料にはねかえります。保険料値上げがいやなら、受ける医療を制限せよというのが政府の言い分です。
 もう1つが、後期高齢者人口増です。新制度は、「後期高齢者が払う保険料の10%、他の医療保険からの支援金が40%、公費が50%」という財源割合でスタートしますが、後期高齢者の人口比率が増加するに応じて、「後期高齢者が払う保険料」の財源割合が「12%、15%、さらに」など、自動的に引き上がる仕組みとなっています。
 そのため、仮に1人あたりの医療給付費が全く増えなかったとしても、保険料は、当初の政府試算平均保険料で、2015年度には全国平均の年7万4,400円より3,700円高い7万8,120円、2025年度は9万5,976円、2035年度10万8,624円へと自動的に引き上がることになります。
 高齢者が医療を受け、高齢化がすすむかぎり、保険料は際限なく値上げされていく制度が実行されようとしているわけです。
 さらに、高齢者差別医療の押しつけも、4月1日から実施となります。
 新制度がスタートすると、「後期高齢者」と74歳以下の人は診療報酬が別建てとなります。そのねらいは何か、厚生労働省が策定した「後期高齢者医療の診療報酬体系の骨子(案)は、この報酬体系をつうじて「複数医療機関での受診」の是正、「検査、投薬」の制限、「在宅看取り」などを推進する、としています。
 つまり、医療にお金がかかる「後期高齢者」には、なるべく医療を受けさせず、終末期は病院から追い出そう、と言うのです。 
 第1に「後期高齢者」の診療報酬を「包括払いの月額6,000円の定額制」「本人負担月額600円」とし、保健医療に上限をつけることです。どんな治療行為をしても報酬は増えなくなります。そうして、「後期高齢者」に手厚い治療をおこなう病院を赤字に追い込み、検査・投薬の制限、入院・手術の粗悪化、早期退院などを促進するのが政府のねらいです。
 また、厚生労働省は「後期高齢者」に「かかりつけ医」を決めさせ、「かかりつけ医」の指示や紹介なしでは、他の診療科に通いにくくする事も実施します。「複数の疾病をかかえる」という後期高齢者の「特性」に着目し、医療を受ける機会を制限していこうというのです。さらに、75歳以上の「終末期医療」に特別な診療体系を持ち込み、「病院追い出し」の促進を計画しています。「在宅死」が全体の2割にとどまっていることを問題視し、4割に増やせば医療給付費を五千億円削減できるという試算まで示し、「在宅看取り」推進を医療現場に診療報酬単価の若干の上乗せで誘導するとしています。
 「後期高齢者医療制度」は、75歳以上の高齢者を国保や健保から追い出し、保険料値上げか、それがいやなら医療の制限かという悪魔の選択に追い込んでいく制度です。
 日本共産党は、このような非人道的な差別医療政策は、即時中止・撤回すべきという立場に立って、広く党派を超えたみなさまとともに運動を広げ、全力で国に要求しています。この立場から、後期高齢者医療の事務について必要な事項を定める条例について、断固反対を表明するものです。 

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