2008.9.29福生市民会館の指定管理者の指定反対討論
奥富喜一議員の反対討論その5
議案第61号、福生市民会館の指定管理者の指定
について、日本共産党として反対討論を行います。
指定管理者制度は、「委託」を「代行」に変え、これまで地方公共団体の管理権限のもとに受託者がおこなってきた管理や運営を、指定管理者が代行できる。 これまで首長の権限だった「使用許可権限」が指定管理者に与えられる。管理主体を、これまで公共団体、公共的団体、公共団体の出資法人、いわゆる第三セクターに限っていたものを、株式会社などの民間営利会社にまで拡大する。などが、その特徴といえます。
今回指定を予定している共立・日立共同事業体の代表者は株式会社共立です。 株式会社などの民間営利団体の最大の目標は言うまでもなく、企業利益を追求することにあり、企業の社会的責任は二次的となりがちであることは、近年法令遵守とかコンプライアンスが良く話題となっているところです。
港区で「高校生のエレベーター圧死事故」はエレベーターの保守点検を非常に安く叩いたことが事故を起こした原因でした。
公の施設の設置趣旨に従い利用料を安く設定することにすると、もうけを上乗せした利用料金を安く設定するためには、従事する労働者の賃金を安く押さえる必要が生じます。そのため労働者の身分・労働条件は著しく不安定なものにならざるをえませんし、職員の専門性の後退を招きます。またサービスの切り捨て、後退を招きます。そうしないためと、逆に利用料金を高くする危険が生じます。
近隣他市の例では、指定管理者になったとたん大幅に利用料が値上がりしたなどの例もあり、危惧されるところです。
また、指定管理者には毎年事業報告書として、業務の実施状況、利用状況、料金収入の実績などの提出が義務づけられていますが、議会への報告義務はありませんし、今回の契約期間も5年間と長期です。腐敗・不正の温床になることが危惧されます。
指定管理者に対しては、お金の出し入れの監査を行うことは出来ますが、業務そのものについては監査の対象にならないとされています。従って、適正・公平な業務運営の的確なチェックはできません。福生市民会館管理運営業務基準を作成しているが、こうした問題について、明確な保障体制が整っているとは認めがたいものです。
さらには、市民会館に付属する施設である駐車場利用の問題です。
契約期間が5年間と長期でもあり、その間駐車場の有料化などが実施される場合、市民会館と公民館が同居しているため、これを明確に区別管理する手法上の難点という重要な問題等が残されたままです。こうした問題にいまだ明確に解決が与えられないまま、いまは無料だからとの見切り発車は、将来に必ず禍根を残します。
また指定管理者導入の為、公民館事務所をさくら会館に移すという事実が明らかになりました。公民館職員と公民館利用者市民との親密、緊密に交流・接触することによる支援等の事業に支障をきたすことが明白です。サービスの低下、利便性が犠牲とされた最初の実例といえます。
以上の理由から利用者市民の立場として納得できません。従って福生市民会館の指定管理者の指定に対し反対であることを表明し、討論といたします。
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