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2008年10月 1日 (水)

2008.9.29平成19年度福生市一般会計決算認定反対討論

奥富喜一議員の反対討論その3

 議案第55号、平成19年度福生市一般会計決算認定
について、日本共産党として反対討論を行います。
 4年間続いた小泉「構造改革」路線の地方政治への押しつけに続き、一昨年9月この政権を引き継いだ安倍晋三元首相による「成長戦略」のもとで異常なまで
の大企業中心の経済政策推進が行われました。その結果、昨年7月行われた参議院選挙は、自民党・公明党の「歴史的大敗」という結果を生み出しました。
 ところが、この路線は1年間持たずに最近政権を投げ出した福田元首相においても、基本的に引き継がれたのが実際でありました。
 その内容は、史上空前の利益を上げている大企業に減税をばらまくなど、成長に資するという名目で、大企業や大資産家を応援する政治です。その一方で、定率減税の廃止や生活保護の削減に示されるように、国民への負担増と給付切り下げを無慈悲に継続・推進するものでした。結局、社会的格差と貧困をさらに拡大させるというものでありました。
 また、「憲法改正」を参議院選挙の争点にするという安部元首相に象徴される、「海外で戦争をする国」づくりに向けて、ミサイル防衛や米軍再編などを拡大する予算執行がされました。
 さて、こうした政府のもとで地方自治体は、今、国の方向に全面的に従っていくのか、それとも住民の暮らしを守るために全力を尽くすのかが、厳しく問われる一年間であったと思います。この19年度福生市一般会計決算認定を行うわけです。福生市が住民の暮らしや福祉をまもるために浪費を押さえ、自治体本来の役割を発揮することが求められていることは申すまでもありません。
 当市の19年度ではどのような行政が行われたか。
 市民の反対を押し切り、平成10年7月から民間委託によって実施された駅前自転車駐輪場の有料化事業は、契約切れの平成20年度で新たな転機を迎えようとしています。平成19年度までの累計実績では、市の財政負担を2億2千4百万円余り節約するために、市民に46億6千6百万円余りもの大負担を負わせ、委託先の自転車整備センターにも赤字経営を余儀なくさせ、さらには有料化開始以来、年々利用が減少し、自転車駐輪場は、むだな空きスペースの拡大が止まりません。資源の無駄使い、環境にも負荷を与える最悪の市民サービスの見本と言えます。
 また、当時の厚生省などの指導を鵜呑みにして、過大な西多摩衛生組合事業を実行したことによる、分担金での財政の圧迫など、歴代の行政の失策が、福生市の財政事情に陰を落としています。
 さらに、国有提供施設等所在市町村助成交付金、いわゆる基地交付金。福生市の3分の1を占める横田基地の土地、建物の固定資産に見合う税収補填額として昭和55年、旧自由党と民主党の保守合同で自民党となった年の頃ですが、98.7%とほぼ100%交付され、この上に昭和55年で17億円余りが防衛予算関係で上乗せされ、これとあわせると、固定資産税の2.88倍の税収がありました。
 これが毎年減らされ、平成19年度実績では基地交付金は実に31.5%の12億2千万円余り、固定資産税換算で26億5千7百万円も減収となっています。
 平成19年度から加わった再編交付金や自衛隊員募集広告費も含めた防衛関係予算を足しこんでも、22億4千万円余り、平成19年度の固定資産税相当額に16億3千7百万円余りも不足する状態となっています。
 基地交付金で昭和55年からの福生市が交付されなかった損金の累計額は実に、311億8千万円余りになります。当市の予算規模の1.5倍もの損失を受けている現状です。
 福生市は基地があったから経済がなりたったかのようにいう方が、おられると聞きますがそれは大変な間違いです。福生市は扇状地であり、交通の要に位置する地形から、横田基地という障害物がなければ道路交通上、物流の要をなす位置にあります。また、現在は西武線は拝島で終点ですが、横田基地がなければさらに、青梅線と平行に延伸され、通勤客を効率よく運送できるでしょう。八高線も同じです。横田基地という障害物があるために、福生市内の商店街が思うように集客できない。住宅地が発展できないため、更新されない貸家が多く残るなど、構造的に産業、生産に影を落としているのが現状です。
 そして騒音や居住環境の問題。教育にいじめ対策などの様々な工夫を重ねても、他の地域以上に問題が多発する。元凶として横田基地の存在に起因するものが多いといえる現状が横たわっています。
 この問題に真剣に取り組まないと、福生市の未来に展望は持てません。
 こうしたなかで、福生市の市民生活もまた厳しい状況におかれたことは、決算の数値が物語っています。
 個人事業主などの納める市民税個人の普通徴収分が平成13年度で46.6%であったものが平成19年度では51.3%と、4.7ポイントと大きく増加し続け、過半数を超えていること。非課税者が年々増加し、平成19年度は14,297人。平成5年度の3,459人から平成16年度14,892人と実に、約4.3倍へと拡大。税制改正で平成16年度256人いた配偶者の非課税者が平成17年度では0人となり、さらに平成17年度6,137人いた老年者の非課税者が平成18年度では0人となる。収入が増えたのではなく税制の改定で非課税者が減るという、更に厳しい生活を想定させる変化に対策はありません。
 普通徴収での納税義務者一人当たりが、平成13年度81,201円、平成19年度90,765円と、税源委譲や税制の改悪で引き上げられているにもかかわらず、9,564円しか伸びないことにも象徴されます。
 住民税増税が平成19年6月実施されました。また、住民税がこれまで非課税だったのに、課税となる定率減税の廃止などの各種の税制改定が、収入が増えないにもかかわらず、国民健康保険税、保育料金などの各種公共料金が上がったり、敬老パスや介護用品の支給などのサービスを切り捨てられる人々を、今年も続出させました。
 当市では、これに追い打ちをかけるように、昨年の福祉10施策約3,480万円の助成事業の減額、削減の実施に引き続き、高齢者に対する住宅家賃助成事業では、当初月額6,000円が、ついに2,000円へと減額を実施し、保育料金の減額調整も行わずに済ませました。
 また、介護保険1号被保険者は平成17年3月末9,705人、平成18年3月末10,090人、平成19年3月末10,499人、平成20年3月末10,936人と増加を続けているにもかかわらず、要介護者は1,857人、1,633人、1,796人、1,591人と介護認定制度の変更を通じて要介護者の認定を抑制した事実が、数値の上で明らかです。さらに、介護保険の見直しによる大幅な保険料の負担増を押しつけた訳です。
 国民健康保険税値上げは医療費部分では連続4年でとめたものの、介護保険料部分で値上げが平成19年度に実行されました。
 まさに、苛政は虎よりも猛の国政の二番煎じで、お年寄りや弱者市民を中心とした福祉削減と負担増の行政が実行された1年間でした。
 将来を担う子どもたち、子育て世代、今生きておられるお年寄り、弱者市民いずれも切り離すことが出来ない福生市民であります。
 ここに、やさしい行政がなくして、どこに将来展望を語れましょうか?
 確かに国の政治は地方政治、庶民生活にとって、存続をかけるような負担を強いています。しかし、悪政はいつまでも続くものではありません。また続けさせてはなりません。あわせて、最後の砦として、市民をこの悪政から守るのも、地方自治体の最大の仕事であることを自覚しようではありませんかと訴えたい。
 米軍横田基地の問題にふれておきます。米軍基地再編計画のもと、私達市民の知らないところで、平成19年度も、危険な基地機能強化が進行しました。
 府中の自衛隊もこの横田に配備がきまり、軍軍共用化が着々と進行します。
 平成20年度以降の問題ではありますが、横田基地の残土の安全性は測定していると答弁がありましたが、その数値の公開はまだ行われていません。おいしい水やおいしいお酒が飲めなくなるかも知れない不安は、払拭できないでいます。 ダンプも10㌧車が最大ではなく、一日平均で200台も走ることが明らかになっています。
 ミサイル防衛構想では、この横田にもミサイルが配備されるとの話もあります。また、可能性は遠のいていますが軍民共用化で、軍用機、民間機が福生市の上空を旋回する事態は、まともな市民生活を破壊するもので、とても賛成できるものではありません。
 福生市は戦後、朝鮮戦争景気などで基地の街として栄えましたが、今、その後遺症で苦しんでいます。先にも述べましたが地域的には商業地域として、発展しておかしくない位置にありながら発展できない。それは米軍横田基地の存在が、電車や道路交通面でも阻害しているからです。家庭環境にも他市に比較できない課題を抱えこんでいます。
 いまでも、危険な福生市にこれ以上の危険を呼び込む政治はゆるせません。
 市長は、こうした市民の多数の意見を尊重して、米軍再編による基地機能の強化に反対だと、今後、さらにきっぱり意思を表明すべきだと指摘いたします。
 私と致しましてはこの審査のなかで、多大な職員の方々の工夫、努力があったことも確認したところでありますが、以上述べたように決算の基本が住民いじめの組み立てであることが明らかであり、とても認められるものではありません。 従って、平成19年度福生市一般会計決算認定に反対であることを表明し、討論といたします。

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