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2010年6月20日 (日)

2010.6.18食料の自給力向上と、食の安全安心の回復に向けて、食品表示制度の抜本改正を求める意見書の提出を求める陳情書賛成討論原稿

陳情第21-10号 食料の自給力向上と、食の安全安心の回復に向けて、食品表示制度の抜本改正を求める意見書の提出を求める陳情書
について、日本共産党として賛成討論を行います。
 日本の食料と農業は、新たに深刻な危機に直面しています。日本を除く先進11カ国の平均は103%であるのに、わが国の食料自給率は世界でも異常な39%にまで低下してしまいました。耕作放棄を余儀なくされた農地は全耕地の1割近くで埼玉県の総面積に相当にも達し、農業にたずさわる人の45%が70歳以上という「高齢化」が進行しています。しかも農産物価格は暴落をつづけ、政府が「モデル」としている大規模農家でさえ「やっていけない」のが現状です。
 一国の農業は、国民の生命を支える食料の安定供給の土台そのものです。そして、国土や環境の保全などにとってかけがえのない役割を果たしています。日本学術会議の試算によれば、日本農業が果たしている多面的な役割は、年間の農業生産額に匹敵する8兆2000億円にも相当します。農業を痛めつける政治をつづけたままでは、現下の食料情勢に対応することができず、国土・環境破壊もいっそうひどくなることは目に見えています。食料と農業をめぐる情勢が内外ともに激変しているいま、“食料は外国から安く買えばいい”“国の予算を非効率な農業にふりむけるのはムダだ”という考え方にもとづく農政を厳しく反省するとともに、わが国の農業再生の道を真剣に探究し、実行に移すことが強く求められています。日本共産党は、わが国の農業と農村を崩壊の危機にさらし、国民の食料にたいする不安を広げてきた自民党農政から、「食料自給率の向上」を国政の重要課題にすえ、そのために「農業を基幹的な生産部門として位置づける」農政に大もとから転換することを主張しています。
 「食料自給率の向上を真剣にめざし、安心して農業にはげめる農政への転換を」と、2008年3月7日に日本共産党の農業再生プランを発表しました。
(1)価格保障・所得補償など、農業経営をまもり、自給率向上に必要な制度を抜本的に充実する。(2)農業に従事する人の高齢化が急速に進行しているいま、現在農業に従事している農家はもとより、農業の担い手を増やし定着させるための対策を抜本的に強化する。(3)日本農業の自然的・社会的条件や多面的機能を考慮し、各国の「食料主権」を尊重する貿易ルールを確立し、関税・輸入規制措置など必要な国境措置を維持・強化する。(4)農業者と消費者の共同を広げて、「食の安全」と地域農業の再生をめざす。日本共産党は、こうした方向を踏まえて、わが国に緊急にもとめられる新しい農政について提言をおこないました。
この、(4)農業者と消費者の共同を広げて、「食の安全」と地域農業の再生をめざす。の中で、食品の安全性を確保している中心的な法律は、食品衛生法です。食品衛生法に基づいて、残留農薬基準や残留抗生物質基準、食品添加物の規格基準などの食品安全基準が定められており、日本に流通している食品は、それらの安全基準をクリアしていることが前提となります。しかし、それらの食品安全基準が守られているかどうかは、食品を検査しなければ分かりません。2006年の輸入食品の検査率は、わずか10・7%で、9割の輸入食品が無検査で輸入されていることになります。要するに、9割の輸入食品が食品衛生法の安全基準に合致しているかどうか分からないまま、輸入されています。
 さらに問題なのは、国が行っている輸入食品の検査が、モニタリング(監視)検査といって、輸入流通を止めない検査なのです。本来、水際での検査である検疫検査は、検査結果がでるまでは輸入を認めず、検査で問題のないものだけを輸入させます。動物検疫でも植物検疫でもこの原則が貫かれています。しかし、国が行う輸入食品のモニタリング検査は、この原則を守っていません。
 食の安全・安心にとってもう一つの課題は、食品表示をどう確立するかという問題です。食品の偽装表示が集中するのは、期限表示と原産国表示についてです。
 期限表示は、日本農林規格のJAS法と食品衛生法で規制され、消費期限と賞味期限に分かれています。ともに食品製造者の責任で表示することになっていますが、期限表示が偽装されているかどうかは、商品を検査しても分かりません。 内部告発がなければ、偽装をチェックできないのが現状です。
 このような期限表示になったのは、1995年からですが、それまでは、日本では製造年月日表示が定着していました。消費者は、製造年月日を見て食品の鮮度を自ら判断して商品を購入してきました。それがアメリカの非関税障壁攻撃で廃止され、現在のような期限表示になったわけです。
 もう一つの問題は、食品表示の監視体制です。原産国表示の偽装は、科学的検査で偽装を摘発できるようになりました。その検査を行っているのが、独立行政法人・農林水産消費安全技術センターです。このような機関は、予算が毎年削減される独立行政法人ではなくきちんと国の機関に位置づけ、拡充されなければなりません。
 以上述べてきたように農業者と消費者の共同を広げて、「食の安全」と地域農業の再生をめざす課題は急務です。
 当陳情は1.加工食品原料の流通履歴、トレーサビリティと原料産地の表示を義務化すること。2.全ての遺伝子組み換え食品・飼料の表示を義務化すること。3.クローン家畜由来食品の表示を義務化することです。の3点について、意見書を国に提出することを求めています。
 消費者が知る権利に基づいて、買う、買わないを自ら決めることの出来ることは農業者と消費者の共同の大事な一要素といえますので、日本共産党の奥富喜一はこの陳情に大きく賛意を表明し、本日採択することを求め、討論といたします。

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