平成23年度福生市国保特別会計予算反対討論原稿
議案第15号 平成23年度福生市国民健康保険特別会計予算
について、日本共産党として反対討論をさせていただきます。
国民健康保険は、「社会保障及び国民保健の向上」(国保法第1条)を目的とし、国民に医療を保障する制度です。以下、国民健康保険を国保と省略します。
その制度が、国民の生活苦に追い打ちをかけ、人権や命を脅かすことなどあってはなりません。日本共産党は、国民の命と健康、暮らしをまもり、国保の本来の役割を取り戻すため、国、自治体にたいし緊急に国による国保税値上げの押しつけをやめ、引き下げに転換するよう求めています。
国保の加入者は、1980年代までは自営者の割合が高く、1985年時点でも自営業30.1%、被用者28.7%、農林漁業13.5%、無職者23.7%、その他4.1%と、72.3%を収入のある方が占め、退職して被用者保険を脱退した人達、無職者やその家族、その他の方達を含め支えてきました。
国保はもともと国費で支える必要が高い、脆弱な基盤の制度であるため、
1980年では国保収入の全体の57.5%を、国が負担していました。ところが、自民党・公明党政権は国の負担額をどんどん引き下げ、2007年度には、25%にまで引き下げてしまいました。しかも、自民党・公明党政権の中小企業政策や雇用政策での失政も重なり、事業者の収入が激減し、失業者が増大しました。国保に占める無職者が2007年、平成19年度で55.4%まで占める事態となり、国保財政が危機に瀕しているわけです。多くの市町村は、国保税の高騰を抑え、自治体独自の減免などを行うため、一般会計から国保会計に国の基準、法定額以上の公費を繰り入れています。一人当たりの繰入額は、平成21年度で福生市21,376円、瑞穂町36,924円、羽村市37,721円と、支えているわけです。
この数値でも分かるように、羽村市と福生市を比べると16,345円も福生市が少なく、しかも、平成22年4月からの国保税の引き上げです。
均等割部分が14,000円から18,000円に値上げされ、さらに所得割の部分も3.6%から4.0%に率が引き上げられました。所得が173万円以下の方達には、7割、5割、2割軽減の措置を、国の制度変更で適用できるようになり、きめ細かな軽減が図られました。
表を作って分かることですが、夫婦40歳と子ども2人・医療分、支援金分、介護分の合計請求額で見ると、所得が173万1円~200万円で238,600円、値上げ率10.0%、200万円~300万円で257,700円、値上げ率9.7%、300万円~400万円で328,700円、値上げ率8.8%と、所得があがるに従い値上げ率が緩和され、700万円~800万円では7.3%、さらには高い所得の方は、値上げ率0%、値上げなしと不公平です。
さらに、年収223万円から450万円の子育て真っ最中、小、中学生、高校生の家庭を中心に、この負担増が一番重くのしかかることになるので、決して許せないと、議会でただ一人国保の値上げ条例に反対を致しました。
平成23年度予算案には、この不公平な値上げを撤回することもなければ、お隣の羽村市並に繰入金を増やして、一人1万円の引き下げもしない予算組み立てになっていますことから、この予算案に反対です。
平成22年10月1日現在、短期証947世帯1,773人、資格証78世帯91人、平成23年2月末現在で、6ヶ月の短期保険証のうち、311世帯は窓口に来ていないままとのことです。このような人権侵害となるようなことは、ただちにやめるべきです。
また国民健康保険特別会計予算書の33㌻に後期高齢者支援金8億9千648
万9千円納める予算が計上されています。75歳以上の人を強制的に囲い込み、高齢者を医療費削減の標的にする後期高齢者医療制度。4月1日に導入から3年を迎えます。年齢だけで差別する後期高齢者医療制度という、別の医療制度構築には納得がいきません。
国に本来もっと負担させるべきなのに、地域での世代間の負担をいたずらにあおり、世代間に対立だけを生み出すようなやり方は、福祉のあり方にも反します。
さらには、古来日本国家が生み出してきた共助の精神にも反し、良い日本文化を破壊するもので、絶対に納得できませんと、前々年にも申しております。
命を守るべき医療保険の負担が重過ぎて病院にかかれずに命を落とす、あるいはそのことを苦にして自ら命を絶つ、こんな国ではいけません。
このような市民いじめの予算が含まれている議案第15号、平成23年度福生市
国民健康保険特別会計予算、あわせて、平成23年度福生市後期高齢者医療特別会計予算について、反対であることを表明し反対討論とさせていただきます。
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