平成23年度福生市一般会計予算反対討論原稿
議案第14号 平成23年度福生市一般会計予算
について、日本共産党として反対討論をさせていただきます。
民主党への期待は、幻滅から怒りへと変わっています。「何のための政権交代だったのか」だからといって、自民党に後戻りもできません。こうしたもとで、多くの国民のなかに政治と社会への深い閉塞感が広がっています。外交でも、経済でも、日本の国際的地位の急激な地盤沈下が起き、前途への不安が大きくなっています。どうしたら、この「閉塞状況」を打開し、未来に希望ある政治をつくることができるのか、多くの国民が真剣な模索を始めています。
異常な大企業中心の政治のゆがみをただし、雇用、社会保障、農林漁業、環境などあらゆる分野で国民の生活と権利をまもる「ルールある経済社会」をつくる。
この道に転換してこそ、日本経済を立て直していく大きな展望が開けます。アメリカいいなり、日米軍事同盟絶対という外交から抜け出し、憲法9条を生かした平和・自主・独立の新しい日本をめざしてこそ沖縄の基地問題を解決し、東アジアを平和な地域にするための展望が開けてきます。
国が、住民のくらしを脅かす仕打ちをしてきたら、それに立ちはだかって、住民の暮らしと福祉を守る「防波堤」の役割をはたす。これがほんらいの自治体の仕事です。ところが、多くの自治体は、国いいなりに、くらしや、医療、福祉、子育てなどで、どんなに深刻な実態があり、住民の願いが切実であっても、「国の制度」以上のことはやろうとせず、国が制度を改悪すれば、いっしょになって住民に“痛み”を押しつけています。
こうしたことがまかりとおる根本には、多くの自治体、地方議会で、民主党、自民党、公明党など、日本共産党以外の多くの政党が、首長の予算案や議案に何でも賛成する。事実上の「オール与党」体制が続いているという実態があります。
こうした中で、福生市の平成23年度一般会計予算案はどうか。
歳入面では、最大の障害横田基地からの固定資産税相当額43億5371万1千円に対して、助成交付金は12億4852万5千円しか歳入がない、実にその乖離は31億円にも及びます。福生市の固定資産税の23年度歳入予算額は31億6290万1千円ですから、この全てを毎年免除していることになります。
一方、米軍横田基地に移駐してくる自衛隊の航空総隊司令部の受け入れ工事が、今年度ほぼ完成の予定で進められています。この5年間で福生市一般会計予算一年分の2.7倍、580億円もの工事が進んでいますが、福生市内建設業者は一つも元請けでの工事として、受けられない現状があります。総括質問での福生市からの答弁でも、工事は防衛省北関東防衛局において、一般競争入札による方法で発注している入札制度の趣旨や公平性の観点からも、難しいと言うことでした。
いくら世間の景気が悪くても、横田基地のある福生市では、さぞかし法人市民税や個人の所得、基地交付金が上がっていると思われるところですが、法人市民税も個人の所得も、基地交付金も逆に下がっているのが実際です。
単純に税収面からも、福生市にとって横田基地の存在は百害あって一利なし、撤去すべき存在といえます。
高すぎる国民健康保険税、強権的徴税、医療を受ける権利を侵害する短期保険証947世帯1773人、資格証の発行78世帯91人や、窓口留め置きの短期保険証311世帯、資格証35世帯という問題。国民健康保険税を、せめて一人1万円の保険税の引き下げもしない。胃ガン、肺ガン検診など希望者の多い医療予防策にも、大きな予算拡大がありません。高齢者への差別医療、後期高齢者医療制度への市独自の医療費助成制度なし、負担軽減なし。介護保険料、利用料の軽減、特養ホームなど介護基盤整備をすすめ待機者をなくすなど、安心して利用できる積極的介護制度改善策、障害者の負担軽減策についても、国の制度の範囲内に閉じこもった予算といえます。福祉バスの運行についても発展がありません。住宅リフォーム助成制度などの市内建設業者活性化策の取り組みがありません。福生市民の生活と権利が等閑にされています。
教育問題においても、小・中学校図書館の図書の確保では奮闘がありますが、専任の教師を配置することがないため、十分活用が図れているとは言い難い。教育委員会事務局の今回の答弁では、中学校給食の計画はありません。ランチルーム利用者への補助についても計画はありません。しかも、「中学校給食については、これまで多くの人々との協議を重ね、長い年月をかけて検討してきた結果、現在のランチルーム方式になりました。」と、暫定的な昼食対策という立場から、中学校給食否定の立場を公然と、明確に表明するという変貌を遂げました。
教育委員会事務局の見解より、憲法や法律が明らかに上位の法律であります。
憲法第26条の教育を平等に受ける権利などに明記されている諸権利の実現は、国や地方自体に対し、その実現のための責務を求めています。
国際教育会議の勧告文、学校給食及び衣服に関する勧告第33号にも自治体の責務が明記されています。
従って、当然に中学校給食は実施の方向での議論を、これからもされていく必要があります。合わせて、暫定的にランチルーム利用者への補助支給で、就学援助家庭を無料にする。その他の家庭についても負担の軽減を図るべきであります。
要保護、準用保護世帯に該当する就学援助者の人数は中学校約390名、年間一人約5万円として、毎年1,950万円も就学援助費を節約している。逆に言えば弁当持参と持参できない子との不公平を図らないためにとの口実で、恵まれない経済弱者の家庭から吸い上げている。行政が最も避けなければならないことを、教育機関が当然のこととして行っているところに、事の深刻さがあります。
日本共産党の議員の仕事は、住民の苦しみ、痛みに心を寄せ、住民の声と願いがとどく議会への改革です。
住民の意思を無視した官僚的な行政や、無駄づかいや非効率、利権や特権などをきちんとチェックできる力量と清潔さを持つ議会、住民の多様な意見が活発に議論され、住民に情報と問題点を明らかにし、住民要求実現のために働く議会へ、
日本共産党は、「住民が主人公」をつらぬく議会への改革をめざします。
以上のような理由から、議案第14号平成23年度福生市一般会計予算について反対であることを表明し、討論とさせていだきます。
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