(1)横田基地の基地機能強化等の実態について
①航空機飛行訓練回数11年前を上回る勢いで、増加しています
横田飛行場滑走路南端(みなみはし)近くにある誘導灯付近の測定記録に因れば、平成25年度は飛行回数11,137回と10年ぶりに1万回を超えました。平成26年度は、その対前年同月を下回った飛行回数は8月と12月だけで、11年前の1万2,754回を超える勢いで増加中です。11年前の2003年、平成25年3月は、米英によるイラク作戦が開始された軍事的に緊迫の年です。その頃と同じ状況に今、福生市の上空が置かれています。この現状をどのように捉えているかお聞かせください。
②C-17やC-5、KC-135やKC-10の飛来が増え、大型機化しています
2014年、平成26年度の横田基地への軍用機飛来ランキングは、1位がC-17、2位C-5,3位KC-135,4位KC-10と大型機が独占。4機種の飛来合計は708回です。2011年が同一4機種合計で351回でしたので、3年前の約2倍に増えています。飛来ランキング1位のC-17は2010年、アラスカで離陸直後、3kmの地点に墜落しています。横田基地の中心から3kmの円内には34の学校があります。福生市内については、福生五小を除き全てが含まれます。
C-17は今年の1月14日、米オハイオ州にあるライト・パターソン空軍基地で起動時に発火、炎により翼が酷く損傷したとの報道もある程の事故が多い機体です。毎日のように横田基地に飛来するので看過できません。
大型化の現実で、ひとたび事故が起きるとき、それだけで深刻な被害が出てしまいます。これからの市民の安全・安心をどのように確保するお考えかお聞かせください。
③C-130Hが最新型で輸送力も大幅に向上するようです
C-130Hが、2017年に最新型のC-130Jに移行する予定と、米軍の準機関紙といわれる星条旗新聞2015年1月20日付けに報道されています。馬力も荷物スペースも多く、2台のC-130JでC-130H3台分の仕事ができるとのこと、このような情報を得ているかお聞かせください。
④パラシュート降下訓練増強は、日米合同委員会の合意事項該当ではないかです
2012年1月5日に防衛省北関東防衛局から、1月10日、サムライサージ訓練を行うとの通知がありました。C-130輸送機(7機)が横田基地を南側から進入して上空通過し、その際に砂袋等(1機あたり砂袋1個、箱1個)の投下訓練を行う。なお、人員の降下訓練も実施する可能性がある。といった内容でした。10日の一日だけで100名、その後11日、12日も無通告で訓練が引き続いて行われました。
結局2012年の一年間に、監視行動で確認された人員降下は600名以上でした。
2013年以降は、黒いパラシュートで、午後7時過ぎの真っ暗な中、本格的実践訓練に移行したため、確認不能となっています。そこで、パラシュート降下訓練、2014年1年間の通告を、単純に集計してみたところ567名になります。
沖縄の嘉手納基地では2011年までの14年間で6回、計307名の訓練をしましたが、周辺自治体の首長・議会の抗議・決議で、現在は行われていません。
強い抗議で中止に追い込まれた沖縄、嘉手納基地14年間の訓練規模の約2倍近くを、たった1年間内に、2012年、2014とも実施の横田基地での訓練の激しさ、異常さが分かります。これほど酷い変化がある以上、日米合同委員会の合意事項が存在するのではないでしょうか、お聞かせください。
⑤C-130の部品紛失について、その後の報告はないのかです
平成26年12月11日、5市1町と東京都の横田基地対策に関する要望書の記載には、横田基地においては航空機の緊急着陸や部品落下、大規模火災等、一歩間違えば大惨事につながりかねない事故が度々発生しており、再発防止のため、以下の項目について改善を図ること。(1) 事故等の原因究明及び航空機の整備点検を徹底して行うとともに、航空機の運用に携わる全ての者に対し徹底した指導や訓練等を行うなど、再発防止に万全の措置を講ずること。(3) 万一、事故等の不測の事態が発生した際は、必要に応じて現場説明を行うことなどを含め、正確な情報を迅速かつ的確に提供すること。(4) 基地の運用に当たっては、基地外(のそと)への影響を最小限に止め、周辺住民に不安を与えることのないよう細心の配慮をし、安全対策を徹底すること。などとありますが、一昨年の7月以降だけでも、5件の最終結果報告がありません。
その後、これらについての報告はありませんでしょうか、お聞かせください。
⑥㈱IHI、瑞穂工場にF-35戦闘機エンジン工場の新設で危険度が増加しないかです。㈱IHIは航空・宇宙事業の瑞穂工場に次期戦闘機F35-に搭載するF135ターボファンエンジンの組立工場を新設すると、2014/12/9の日刊工業新聞が報じています。関連した報道には、修理工場としての機能を持つとの報道もあります。そうであるとすれば、事故機、いまにも事故の危険を抱えたF-35が、㈱IHI、瑞穂工場で修理するため、横田基地に降り立つことになります。横田基地周辺には一層墜落等の危険度が増すことになります。市民の安全・安心の立場からどのようにお考えか。以上6点について、お聞かせください。
(1)横田基地の基地機能強化等の実態について <2回目>
①横田基地の飛行回数の増加、②C-17輸送機等の飛来増加は、基地の運用に関することだ。市民に不安を与えることがないようとの言葉で済まして良いのでしょうか。
2001年9月11日にアメリカ合衆国で発生した、航空機を使った4つのテロ事件を契機に「テロとの戦いを宣言」。2001年10月2日には、NATOが集団自衛権を発動し、アメリカ合衆国とイギリスを始めとした有志連合諸国が、10月7日から空爆を開始。さらに2002年に国際テロ組織とならず者国家と断じた悪の枢軸3国、イラク、イラン、北朝鮮との戦いを国家戦略とし、「アメリカの防衛のためには、予防的な措置と、時には先制攻撃が必要」として推進する方針を決めました。これをもとに、アメリカ合衆国はイラクに対して大量破壊兵器を隠し持っているという疑惑を理由に、イラク戦争に踏み切った年が2003年です。
この2003年度の12,754回に迫る勢いで飛行回数がこの2年間急激に増加。
さらに、安倍政権が集団的自衛権の行使容認を昨年閣議決定し、今年5月の連休明けにも、具体化のための法律を国会にかけ、通過させると言われています。横田基地の飛行回数、大型機の飛来増加が一層拡大されるのではないでしょうか?
前回も、C-130の事故等紹介しましたが、この写真は(※C-130Hの写真提示)つい先日の2月28日の14時11分“COPE NORTH 15”が行われているグアムから帰ってきた橫田基地所属C-130Hの3機のうち、74-1659の第1エンジンが止まっている写真です。これは、拡大した写真でプロペラが止まっているのが分かると思います。このような危険な飛行もどんどん増加することになります。
これで、どうして、「子育てするなら福生」と胸を張って言えるのでしょうか?
細心の注意を払い安全確保の徹底に努めるよう要請の結果が、こうした事態です。③点目のC-130輸送機の情報も含め、適時・適切・詳細な情報提供と、安全管理に勤めるよう国に対し、再度厳しく要請するお考えがあるかお聞かせ下さい。
④パラシュート降下訓練に関する日米合同委員会の合意はないとのことです。
(※表を示す。読谷補助飛行場と嘉手納飛行場)
市長、ご存知ですか、この表は、よく見えないかも知れませんが、これは、読谷(よみたん)補助飛行場の1979年から1996年までパラシュート降下訓練が行われた実施状況で、延べ186回6,878名の表です。真ん中辺の1988年1,403回と突出したのがありますが18年間で、年間平均で約380人です。
激しい沖縄県民の抗議で、1999年10月「SACO案件に関する日米合同委員会合意」で、「読谷(よみたん)補助飛行場で行われていたパラシュート降下訓練が伊江島(いえじま)補助飛行場に移転する」ことになりました。
右側の表は、その後嘉手納飛行場で行われた同様の訓練です。
読谷補助飛行場で中止の2年後から開始の1998年から2011年5月まで、
14年間で6回、累計で約307回の詳細です。SACO案件の日米合同委員会合意以降は、2007年の2回15名、2011年2回約27名でこれを最後にパラシュート訓練は、嘉手納飛行場で行われていません。
2012年1月以降は、沖縄の激しい抗議を逃れ、抵抗のほとんどない、市長部局からは、基地の外に降下することがないように、気をつけてくれ程度しか言われない、福生の横田基地に移ったからです。
今、実施されているパラシュート降下訓練は1人、2人の通常訓練ではありません。 沖縄で出来た日米合同委員会合意が、福生市に適用できないものではないと考えます。福生市のような人口密集地上空でのパラシュート降下訓練は、中止の方向で検討されるべきです。市長はどのようにお考えですか。お聞かせください。
⑤C-130の部品紛失については、十分に紛失物の行方の調査の徹底をお願いしたい。アメリカ本国では到底考えられないことです。現実に住民生活が行われている住宅密集地の上空での飛行。アメリカ人と同じように血が通う人間が生活している頭上で行っているのだと言う認識について徹底し、絶対に部品等の紛失を起こさないことを、強く要請して下さい。これは要望にとどめます。
⑥エンジンの修理をすれば、必ず付随して発生するのが、エンジンテストの問題です。
㈱IHIが瑞穂工場でF-35戦闘機のエンジン工場として稼動する場合に備えて、エンジンテストの際の騒音規制対策、エンジン等修理部品を絶対に飛行に因ることなく、部品のみに分解した状態での搬入に限定するように、横田基地周辺自治体と㈱IHIとの事前協定を結んでいただきたい。そうした対応をとるかお考えをお聞かせください。
以上、3点だけお答えください。
(1)横田基地の基地機能強化等の実態について <3回目>
①ご答弁通りに、是非、適時・適切・詳細な情報提供、及び運用に関しての安全管理の徹底を、米軍・国に対して強く要請してください。
②パラシュート降下訓練についての情報提供は当然に必要です。今後も提供されるべきと考えます。
同時に、沖縄では、日米合同委員会の合意事項として取り扱われる問題が、福生市にある横田基地では適用されないところが、問題ではないでしょうか?
同じ日本国にある沖縄では、日米合同委員会の合意事項で、別の場所、伊江島での訓練とされたものが、福生市と言う人口密集地にあっては、我慢しろと言うことが許される問題なのか。国家間の協力関係の問題だから、沖縄県民は我慢しなくて良いが、福生市民は我慢しろ、国民全体の犠牲になれということでしょうか?
③この件に関しては、まだ、時間があります。㈱IHIの動向も見極め、しっかりと熟慮し、5市1町の方々とも協議し、善処されることを要望します。
以上、問題の投げかけと要望にとどめ、つぎに移ります。
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